モノクロ2階調で書き出す時に[閾値]と[トーン化]のどちらを選べば良いですか?
印刷所や出版社などに、表現色[モノクロ]で書き出したデータの提出を求められた場合は、書き出し設定で[モノクロ2階調(閾値)]と[モノクロ2階調(トーン化)]のどちらを選択すれば良いでしょうか。
こちらは原稿の画像がどのように作られているかによって、適切な項目が異なります。
[閾値]と[トーン化]とは?
[閾値]と[トーン化]の選択肢は、作品に[グレー]や[カラー]の階調がある場合に、どのような方法でモノクロ化するのかを選択するものです。
初めからモノクロ2階調で原稿を制作している原稿の場合は、どちらを選んでも出力結果に変わりはありません。
モノクロ2階調の画像の例
線画にアンチエイリアスが付いていたり、トーン部分を網点でなくグレーで塗っている/描いているなどの場合には、下記を参考に適した書き出し方法をご選択ください。
アンチエイリアスの例
グレーのトーンの例
モノクロ2階調(閾値)
色の濃度に応じて、一定の濃度以上は黒、それ以下は白に変換する方式です。
トーンは網点の状態で貼っていて、線画やテキストなどにアンチエイリアスがかかっている場合は、[モノクロ2階調(閾値)]が向いています。
モノクロ2階調(トーン化)
画像の濃度に応じてモノクロの網点化することによって、グレーを疑似的に表現する方式です。
雰囲気系の画像や、グレーのべた塗りなど、いわゆる[スクリーントーン]に該当する部分をグレーで塗っている場合は、[モノクロ2階調(トーン化)]が向いています。
モノクロ書き出しの注意点
下図のように、線画部分がアンチエイリアスありで、トーン部分をグレースケールで制作している場合、書き出し時に両方を適切にモノクロ化することは難しいです。
[トーン化]で書き出した場合
トーン部分は問題なく網点化されますが、線画のアンチエイリアス部分もトーンの網点になってしまうため、線画がボコボコになってしまいます。
[閾値]で書き出した場合
線画部分は問題ありませんが、トーン部分が黒または白に振り分けられてモノクロ化されてしまいます。
こういった画像をモノクロ化したい場合は、書き出す前にレイヤープロパティの設定で、線画レイヤーをあらかじめモノクロ2階調(1)にしておくか、トーンレイヤーのトーン効果をON(2)にしてから書き出しをしてください。
(1)モノクロ2階調
※閾値の調整をしたら、[プレビュー中の表現色を適用]をクリックしてモノクロ変換を確定します。
(2)トーンをON
線画部分とトーン部分を適切にモノクロ変換した例