CLIP STUDIO PAINTを快適に利用できる環境・使い方を教えて下さい

CLIP STUDIO PAINTの動作は、デバイスの性能に加え、レイヤー構成・使用ツールによって快適に利用できる環境が異なります。


カテゴリごとに推奨される内容を以下にご案内します。



デバイス本体

CLIP STUDIO PAINTを利用するデバイスは、以下の動作環境ページで推奨されている性能か、それ以上の性能で快適にご利用いただけます。




ストレージ

ストレージ容量に余剰があるほどデバイス全体の動作も安定します。

また、パソコンの場合、ストレージはSSDを利用した方がアプリの負荷が軽減できます。



CPU・メモリ

キャンバスサイズが大きかったりレイヤーの枚数が多い場合、CPU性能が高く、搭載メモリが多いほど負荷が軽減できます。

ブラシの描画速度も、搭載メモリが多いと軽快に動作します。


メモリは多く搭載されているほど恩恵が受けられます。



グラフィックボード

パソコンの場合、3D機能を利用する際はオンボードのチップセットよりも、独立したグラフィックボードを搭載している方が負荷が軽減できます。

なお描画速度やキャンバスサイズに対しては、グラフィックボードの性能による影響はないため、先述のCPU性能や搭載メモリの方が重要となります。



キャンバス

開いているキャンバスの数

複数のキャンバスを開いたままにしておくと、メモリを消費するため、作業に不要なキャンバスは保存して閉じておく事をおすすめします。



キャンバスサイズ

キャンバスのサイズ(ピクセル数)が大きいほど、編集時に負荷がかかります。

必要以上に大きなキャンバスに巨大なブラシで描くのは避ける事が望ましいです。



・単位を[px]にしている場合

幅や高さの数値が小さいほど、編集時の負荷は低いです。

なお幅や高さの数値を変えずに[解像度]の数値だけ変えた場合は、負荷は変わりません。



・単位を[px]以外にしている場合

[mm]や[in]などの[px]以外の単位にしている場合は、幅・高さ・解像度の数値が小さいほど、編集時の負荷は低いです。



一方これらの単位を使う場合は印刷を行うケースが多いため、むやみに数値を低くすると印刷時の画質も下がります。
制作する作品に応じて、適正なサイズ・解像度を選択して下さい。


POINT
もし動作が重いと感じた場合、キャンバスサイズの単位をご確認下さい。
例えば1000pxのキャンバスを作ったつもりで、1000mmのキャンバスを作ってしまった場合、解像度にもよりますがpx換算すると10000pxを超える場合があるので、描画・編集が非常に重くなります。



WEBTOON作品

WEBTOON作品の場合、ページの分割数を多くすればキャンバスごとの面積が小さくなるため、メモリの使用量を少なくする事が出来ます。

また、ページを分割する事で1ページあたりのレイヤー枚数を少なくできれば、CPUの負荷も減ります。



ツール

自作のブラシを使ったり、ブラシ設定をカスタマイズする場合は以下の点をご確認下さい。



パラメータ

[ブラシサイズ]の数値は大きいほど、[間隔]の数値は小さいほどブラシの速度に影響します。


・[下地混色]の種類を[にじみ]にしたり、[水彩境界]の[ドラッグ後に処理]をOFFにしたりするとブラシの速度に大きく影響します。


・それ以外のブラシのパラメータも、使えば使うほど速度に影響が出るので、必要なパラメータのみ使用する事をおすすめします。



先端形状

・ブラシ先端形状に使う画像は、グレーレイヤーやモノクロレイヤーで作成したものを用いると負荷が軽減できます。

単色や2色のブラシを作成する場合はグレーやモノクロレイヤーをご利用下さい。


・ブラシ先端形状や紙質の画像サイズが大きすぎると負荷がかかるため、実際に利用するブラシサイズを考慮した上で、適切なサイズで作成して下さい。



その他補足事項

ツールの[手ブレ補正]の数値が大きいとカーソルに線が遅れてついてきますが、こちらはCPUを消費しているわけではありません。

タブレットから入力された多くの点を用いて補正するため、さらに先の点が入力されるのを待っているためです。



レイヤー

合成モード

レイヤーフォルダーの合成モードを[通過]にすると、メモリや速度面で効率が下がるため、フォルダー外のレイヤーと合成が必要な場合以外は、[通常]にしておく事をおすすめします。

フォルダー以外のラスターなどのレイヤーも、合成モードは[通常]にしておいた方が表示速度が速いです。



ベクターレイヤー

・ベクターレイヤー上で色塗りを行うと、複雑な形状のベクター線が多く作られて負荷につながります。

ベクターレイヤーは線画に利用し、色塗りにはラスターレイヤーをご利用下さい。


・ベクターレイヤー上で、透明色のブラシや[ベクター消去]をOFFにした消しゴムで消去を行うと、透明なベクター線が多く作られて負荷につながります。

[線修正]ツールでベクター線の形を編集したり、レイヤーマスクあるいは[ベクター消去]がONの消しゴムで不要な部分を消去する事をおすすめします。



アプリケーション

・長時間利用時にアプリの動作が不安定な場合、作品を保存してから一度アプリを終了し、再起動を行って下さい。


・作業を進めるごとに動作が重くなる場合、取り消し回数が多いためメモリ使用量がかさんでいる可能性があります。

環境設定を開き、[パフォーマンス]の項で[取り消し回数]を低い数値にして下さい。



[取り消し回数]について
Ver.2.3.4以降、[取り消し回数]の初期値は以下のように変更されました。
iPad/iPhone:新しくアプリをインストールした場合:[30]
Galaxy/Android/Chromebook:[30]

[取り消し回数]を増やすとメモリの使用量が増加し、アプリの動作が重くなったり強制終了する可能性があります。



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